サッカー選手(スポーツ選手)のためのウエイトトレーニングのポイントについて

【筋力の考え方】

 

サッカーをやっている方で、キック力を向上させたいと思った際に、何を考えるでしょうか?

 

たくさんの方が、筋力トレーニングを考えるのではないでしょうか。

 

しかし、残念ながら筋力トレーニングを行うだけではキック力は向上されません。

 

キック力を向上させたければ、ボールを蹴らないと向上されません。

 

ではなぜ筋力トレーニングを行うのでしょうか。

 

車を例に説明します。

 

車で例えると、エンジンが筋力にあたります。

 

エンジンのパワーが強ければ、車は速く走れるでしょうか。

 

もしも、タイヤがスムーズに回らない ハンドルが不安定でまっすぐ走らない オイルがかわいていてギアーがスムーズに回らない サイドブレーキがかかっている状態などなど、これらのような状態があればいくらエンジンのパワーが強くても、速く走ることはできません。

 

パワーを上手く動作スピードに変換できていないからです。

 

これと同じで、いくら筋力があっても、そのパワーを速い足のスウィングに変換できないと、キック力は上がりません。

 

このことは、ジャンプ力 ダッシュ力 タックルの強さなどでも同じことが言えます。

 

しかし、スムーズなキック動作ができるようになると、筋力がある人のほうが強いボールを蹴ることができます。

 

つまり、キック力=筋力と考えるのではなく、キック力を上げるための一つの要素と考えることが最適だと思います。

 

その考えを踏まえたうえで、筋力というのはサッカー選手にとって大切な要素です。

 

では、筋力の向上方法(ウエイトトレーニング)について書いていきます。

 

【ウエイトトレーニングのポイント】

 

ウエイトトレーニングを行う上でのポイントが5つあります。

 

負荷 回数 セット数 休息時間 頻度です。

 

目的によってこれら5つは変えなければいけません。

 

目的とは、ウエイトトレーニングによって、筋力 筋肥大 筋持久力のうち、どれを向上させるかということです。

 

・筋持久力とは、長時間、筋肉を動かし続ける力のことです。

トレーニング経験がない、特に高校生や大学生は筋持久力のトレーニングからはじめることが勧められます。

トレーニング経験がない人が、いきなり筋肥大や筋力のトレーニングを行うと怪我をする恐れがあるためです。

 

・筋肥大とは、筋肉を大きく(太く)するためのトレーニングです。

筋力は、筋肉の断面積の大きさに比例します。

そのため、筋肉が大きいほど強いパワーが発揮されます。

 

・筋力とは、力×速度です。

つまり、筋肥大によって向上させたパワーを動作スピードに変える力のことです。

 

経験の有無、歴によっても変わってきますが、筋持久力→筋肥大→筋力という順番でトレーニング計画をたてていきます。

 

これら3つのうち、どの項目を向上させたいかによって、負荷 回数 セット数 休息時間 頻度を変えていかなくてはいけません。

 

■強度

 

強度の設定にRM(最大反復回数)という重さの尺度を表す単位があります。

 

例えば、1RMとは1回だけ反復できる負荷の重さを表します。

 

負荷設定を行うために、目安となるRM換算表があります。

ベンチプレスを例に説明します。

 

ベンチプレスの1RMが50kgのかたであれば、10回反復するための負荷は50kg×75%=37.5kgとなります。

 

このように向上させたい目的によって、反復回数を設定し、負荷を決定します。

 

目的別の負荷設定の目安は下記のようになります。

 

・筋力…100~87%

・筋肥大…85~67%

・筋持久力…65%以下

 

■回数(反復回数)

 

上記の表の通り、目的別の反復回数は下記の通りになります。

 

・筋力…1~5回

・筋肥大…6~12回(8回がベスト)

・筋持久力…13回以上(反復できなくなるまで)

 

■セット数

 

セット数は多いほど筋力は向上されるという研究結果があります。

 

最低3セット以上というのが目安です。

 

■セット間の休息時間

 

セット間の休息時間の目安は下記の通りになります。

 

・筋力…3~5分

・筋肥大…60~90秒

・筋持久力…30秒

 

■トレーニング頻度について

 

週に連続しない2~3回が目安となります。

 

これには超回復と呼ばれる理論があります。

 

筋肉はウエイトトレーニングよって、筋細胞が損傷します。

 

そこから、その損傷が回復することで、少し筋力が向上されるという仕組みになっています。

 

つまり、筋肉が回復する前にトレーニングを行ってしまうとあまり効果がでなくなってしまいます。

 

そのため、トレーニングを行うだけでなく、トレーニング後の体のケアもウエイトトレーニングにおいて重要な要素になります。

 

【トレーニングの種類】

 

ウエイトトレーニングを行うには必ず、下記の5種類の筋の収縮活動のうちのどれかを行います。

 

■アイソメトリック(等尺性)

 

アイソメトニックとは、徒手抵抗で行うトレーニングです。

 

(例)

両手を合わせた状態で、手は動かさずに力を入れる。

 

力を入れる時間の目安は6~12秒間です。

 

怪我あがりの、リハビリテーション時に有効なトレーニングです。

 

 

■アイソトニック(等張性)


・コンセントリック(短縮性)

・エキセントリック(伸張性)

 

アイソトニックとは、筋肉の短縮と伸張を繰り返すトレーニングです。

筋肉が短縮する動作をコンセントリック、筋肉が力を入れながら伸張する動作をエキセントリックといいます。

 

コンセントリックよりも、エキセントリックのときにより筋肉が刺激されます。

 

(例)

 

アームカール(ダンベルを肘を曲げて持ち上げる動作を繰り返すトレーニング)

肘を曲げるところがコンセントリックであり、肘を伸ばすところがエキセントリックです。

 

一番ウエイトトレーニングで効果が出るのがアイソトニックです。

 

■アイソキネティック(等速性)

 

アイソキネティックとは、特殊なマシーンを使って、同じ速度で筋肉の短縮と伸張を繰り返すトレーニング。

 

ウエイトトレーニング未経験者の基礎筋力の向上や怪我あけのトレーニングに有効です。

 

怪我あけは、アイソメトリック→アイソキネティック→アイソトニックという順で、徐々に負荷を上げていくと良いと思います。

 

■オキシオトニック(増張性)

 

オキシオトニックとは、チューブを使用したトレーニングです。

 

チューブの長さによって負荷を調節できます。

 

ダンベルやバーベルを使わずに、より安全に、かつちょっとしたスペースで手軽に負荷をかけたトレーニングができるため、ご自宅やトレーニング設備がない場所でのトレーニングに有効です。

 

■バスキュラーオキュリューション(加圧 スロー)

 

バスキュラーオキュリューションとは、加圧トレーニングやスロートレーニングなど、筋肉を低酸素状態にして行うトレーニングです。

 

筋肉を低酸素状態にすることで、多量の乳酸がたまります。

 

乳酸がたまることで、多量の成長ホルモンが分泌されるため、より筋肥大がしやすくなります。

 

加圧トレーニングは、有資格者の指導が必要ですが、スロートレーニングですと、ご自身で行うことが可能です。

 

スロートレーニングについては下記をの記事をご覧ください。

スロートレーニングの効果と方法

 

ウエイトトレーニングは必ず上記の5つの方法のどれかで行います。

 

状況 環境 目的によって方法を選択してみてください。

 

また、効果がでないときは、負荷 回数 セット数 休息時間 頻度のどれかに必ず問題があるので、修正してみてください。

 

以上のことが、筋力についての主な内容です。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

【トレーニングの原則】


よりトレーニングの効果をだすためには、下記の7つの原則が重要です。

①過負荷の原則
②漸進性の原則
③全面性の原則
④反復性の原則
⑤個別性の原則
⑥意識性の原則
⑦特異性の原則

 ■過負荷の原則

一定の負荷では、体がその負荷に適応していくため、効果が薄くなっていきます。
そのため、徐々に負荷を上げていかなくてはいけません。
負荷を上げていくことを過負荷の原則と言います。

負荷を上げる目安として、週2回トレーニングを行った場合の筋肉の適応についてです。

トレーニング初心者:4〜6週
トレーニング経験者:6〜8週

上記の周期を目安に負荷を上げていきます。

■漸進性の原則

漸進性の原則は過負荷の原則と共通していますが、トレーニングの質と量を徐々に上げていくという原則です。

簡単な種目→難しい種目
単純な種目→複雑な種目
静的な種目→動的な種目

といったように徐々に刺激を変えていくことを漸進性の原則と言います。

■全面性の原則

7つの体力(バイオモータビリティ)をバランス良くトレーニングすること。

7つの体力とは、筋力 持久力 パワー スピード 敏捷性 調整力 柔軟性 を表します。

■反復性の原則

当然ですが、トレーニング効果はすぐにはでないため、反復して長期間続けることが重要です。

■個別性の原則

トレーニングは、個人個人の目的によって各々に合ったトレーニング種目を行う必要があります。

チーム全員が同じウエイトトレーニングのメニューを行うケースがよくありますが、個人個人で課題や目的が違うため、各々で種目を変えることが個別性の原則です。

■意識性の原則

なぜこのトレーニングを行うのか、どこの筋肉を鍛えているのかを意識してトレーニングを行うことでより効果がでます。

■特異性の原則

向上させたい動作と同じ動作、もしくはそれに近い動作のトレーニングを行うことを特異性の原則と言います。

例えばサッカーのキック力を向上させたい場合はスクワットで脚を鍛えるよりも、レッグエクステンションの方が、キック動作に近いためより効果がでます。

しかし、単純にキック力を向上させたい場合は、実際にボールを蹴ることで一番効果がでます。

これが特異性の原則です。


【まとめ】


上記の内容のポイントは下記の三つです。


・負荷 回数 セット数 休息時間 頻度

・トレーニングの目的によって、トレーニングの種類を選ぶ

・トレーニングの原則にそって、トレーニングを行う


最後までお読みいただきありがとうございました。