試合中にボールに触れない子供の対応について

茨木北オークサッカースクールでは、1時間半あるスクールの中で、およそ1時間は試合(ミニゲーム)を行います。

 

そこで、試合中にボールに触れる子供と触れずに立っているだけの子供が出てきます。

 

ボールに触れていないお子さんの保護者の方は、きっと不安になったり心配になったりすると思います。

 

そこで、ボールに触れない子供に対してのオークの取り組みについてご説明させていただきます。

 

【ボールに触れない子供に対してのオークサッカースクールの考え方】

 
オークが設立してから2年が経過しました。

現在では、前半の部と後半の部ともにおよそ30名の子供達が参加してくれています。

その中で、2年間ずっと通っていてくれている子、途中から入ってくれた子、最近入ってくれた子、普段からボールを蹴っている子、全くサッカーを初めてやる子など様々です。

当然ですが、経験の多い子が試合中にボールに触れて、経験の少ない子は試合中にボールに触れないという状態になります。

そこで、ボールに触れていない子供の保護者の方から、「試合の前に基礎を教えてください」という貴重なご意見をいただくことがあります。

ほとんどのサッカースクールでは、まず基礎練習を行い、最後の少しの時間でゲームを行って練習終了という流れです。

しかし、オークでは1時間半あるスクールのほとんどの時間を試合に費やします。

はじめのウォーミングアップメニューも対人プレーや競争をするメニューを行うため、基礎を教えるということはしていません。
 
ボールに触れない子供は、新しく入ってくれた子、途中から入ってくれて初期の頃から通ってくれている子よりも経験が浅い子です。

初心者や経験の浅い子が経験者の中に入ってサッカーをするのですから、初めはなかなかボールに触れないのは当然のことです。

しかし、お子さんが周りの子と比べて全くボールに触れていなかったら、不安になるというお気持ちはよくわかります。

不安になるため、試合中に「ボールをもっと蹴りに行きなさい」と言ってしまったり、蹴り方やドリブルのやり方を無理に教えてしまったりします。

ただそこで、不安になる気持ちをぐっと抑えて少し考え方を変えていただきたいと思います。

まず、お子さんはサッカーをあまりやったことのない状態で、知らない経験者の子供達がたくさんいる中に入ってサッカーをするので、まだ右も左もわからない状態であり、さらに「怖い」と感じている子もいると思います。

グランドに入れず泣いてしまう子もいます。それも不思議なことではありませし、当然です。
大人の仕事を例に考えてみてください。

経験のない仕事をはじめる時に、経験者がたくさんいる新しい組織の中に入るので、恐怖を感じたことがあるのではないでしょうか。

さらに、入ってすぐに職場が忙しいとパニックになって、ただ立っているだけという状態を一度はご経験されたことがあるのではないでしょうか。

大人でもそのようになるのですから、子供がそうなるのは当然です。

そう考えると、ボールに触れなくても知らない経験者の子供達といっしょにコートの中に入っているというだけでとてもすごいことなのです。

いきなり、経験者の子供達と同じようにどんどんボールをドリブルで運んでゴールを決めることを期待してしまうがために、「うちの子はぜんぜんボールに触れていない」と不安になってしまいます。

お気持ちはよくわかりますが、いきなり経験の多い子供達と同じようにドリブルでボールを運んでシュートを決めることを期待してしまうのは無茶な話です。

上達には時間がかかります。

それよりも、サッカーをほとんどしたことがないのに、経験者の中で一回でもボールに触れた、次のスクールでは二回も触れた、その少しの進歩に目を向けていただきたいと考えています。

試合でボールに触れる回数が増えてくると、サッカーが楽しくなって、スクールがないときでも自らボールを蹴るようになります。

これこそが基礎練習であると考えています。

実戦を知った上での基礎練習が重要なのであり、基礎練習→実戦ではないと考えています。

大人の仕事でも同じで、まずは現場を知らないと接客や営業のやり方、電話応対やExcelの使い方といった
基礎を研修でいくら教わっても、まずは実際に現場でどんどん体験をしなければ上達はしないと思います。

現場でまず仕事をすることで、「あれを覚えなければいけない」「これができるようにならなければいけない」と発見して、自ら上司や先輩に質問をしにいったり、家に帰ってからもしくは休みの日に本で調べたり、練習をしたりすることで少しづつ上達していったというご経験をされたことがあるのではないでしょうか。

サッカーも同じで、まずは試合の経験を積まないと、いくら蹴り方やドリブルのやり方といった基礎を教わっても試合でボールを触れるようにはなりません。

徐々に、試合でボールが触れるようになると、サッカーが楽しいと感じて自らボールを蹴るようになります。

それまで、待つことがとても重要です。

そうなる前のお子さんに基礎を教えても、学校の宿題をやるようにつまらない顔をしてボールを蹴って、次第にサッカーが嫌いになるという悪循環になります。

こんな考えからオークでは、基礎は教えずに試合に多くの時間を費やしています。

もちろん、子供達自ら「あれを教えてほしい」「これを教えてほしい」といった質問を個人的にしてくれた場合はどんどんお応えしていきます。

実際にあった一つの例ですが、

オークが設立した当初も、普段からボールを蹴っている子供と全くサッカーが初めての子供がいました。
試合中にボールが蹴られず、一人で葉っぱで遊んでいる子がいました。

その子のお母さんはその姿を観て、「情けない」と嘆いておられました。

しかし、葉っぱ遊びの子は毎回スクールに通ってくれていました。

スクールに通い続けてくれているうちに試合でボールに触れる回数が増えていくと、葉っぱ遊びの子はお家でも自らボールを蹴るようになったそうです。

現在、葉っぱ遊びの子は試合中にどんどんドリブルでボールを運んでゴールを決めています。

葉っぱ遊びの子だけではなく、スクールに通い続けてくれた子供達はみんな現在、試合でどんどんゴールを決めています。

こんな例があるように、とにかく大事なことはボールに触れなくても、何度も試合を経験することです。

以上のことが、オークサッカースクールで基礎を教えることなく、試合を繰り返す理由です。

お子様の上達とスクールともども長い目で観ていただけると幸いです。

茨木北オークサッカースクール メインコーチ石田