2015年

4月

28日

メッシ高速ドリブルの秘密

【メッシの高速ドリブルの秘密】


メッシはなぜあれほどまでに素早い動きができるのでしょうか。

メッシの速さの秘密として注目されているのが、フラット着地です。
フラット着地とは、立つ、歩く、走る際に、足裏の母子球 小指球 踵の三点で着地をすることです。
この三点で着地をするとちょうど脛骨の真下で踵と土踏まずの間あたりに重心がかかります。
下記の図の赤丸の位置です。
では、なぜフラット着地ができることで素早い動作ができるのでしょうか。
フラットな位置で着地をすることで、骨盤が前傾し、足ではなく身体の重心移動で動作ができるようになるためです。
■素早い動作をするためには骨盤は前傾でなくてはならない。

まず、素早い動作をするためには、身体の重心移動が上手くできなくてはいけません。
しかし、骨盤が後傾し猫背の状態では、身体の後方に重心がかかるため、身体ではなく、足での移動が強調されるため素早い動作ができません。
また、骨盤が後傾していると、フラットな位置で着地ができず、踵で着地をしてしまうため素早い動作ができません。

骨盤が後傾している状態
骨盤が前傾している状態
◾︎骨盤の前傾移動と後傾移動の比較

上記の写真のように骨盤を後傾(猫背)させた状態で、歩行してみてください。

足を前に出して踵だけで着地をする歩行になると思います。
次に骨盤を前傾させた状態で歩行してみてください。

骨盤を後傾させた時よりもスムーズに歩行ができる感覚が得られると思います。

人間は体を前に倒すと、防衛反応で自然と足が前に出るという構造になっています。

つまり、骨盤が前傾し、身体が前方に傾くことで、自然と足が前に出ます。

この重心移動が上手くできるようになることで、素早い動作ができるようになります。


【戦後に急増した日本人の猫背】


■履物の変化

戦後の日本では、履物に大きな変化がありました。
戦前までは、草履 下駄 雪駄などが履かれていたのが、戦後は靴とスリッパが主流になりました。

なぜ靴とスリッパの普及が猫背を増加させたのでしょうか。
靴やスリッパを履いて歩く際は、足首を背屈して歩くことが多いため踵で着地をしてしまうからです。
日本は室内では靴を脱ぐという文化があります。
そのため、すぐに脱ぎ履きができるように少し大きめのサイズの靴を履かれている方がほとんどです。
大きめの靴を履くと、靴が脱げないように足首を背屈して歩くようになります。
さらに、室内でもスリッパを履きます。
スリッパも足首を底屈してしまうと脱げてしまうため、常に足首を背屈させた状態で歩きます。
足首を背屈した状態で、踵で着地を行うと、下記の写真のように骨盤が後傾し猫背の姿勢になってしまいます。

【フラット着地と骨盤の前傾を確立するための方法について】


■日本古来の履物


戦前までは、下駄(げた)、 草鞋(わらじ)、雪駄(せった)という履物が主流でした。
これらの履物は自然とフラット着地ができ、骨盤を前傾させた状態で歩くことができるため、うまく重心移動ができる仕組みになっています。

江戸時代に書かれた旅行記に、江戸の日本橋から京都の三条大橋まで(およそ420キロ)の距離を二週間で歩いたという話があります。
一日に30キロは歩いているということになります。

その際に履かれていたのが、草鞋です。

草鞋は自然とフラット着地ができ、前傾姿勢で身体の重心移動ができる仕組みになっています。

草鞋以外にも下駄や下雪駄といった履物は同じような仕組みで出来ています。

そのため、これらの履物を活用することで、素早い動作を確立することができます。

■草鞋

草鞋には指の下にあたる部分のソールがありません。


つまり、下記の写真のよう指が下に下降するようになります。

指が下に下降するため、歩行時により拇指球と小指球が強調されます。

それにより、踵だけで着地をするということがなくなります。

さらに、指が下に下降することにより、自然と体の重心が前方に移動し前傾の姿勢になります。

■下駄

下駄の底には二枚歯がついています。

この二枚歯はフラットな位置(上記の赤丸の位置)についているため、フラットな位置でしか立つことができません。

さらに雪駄と同じように、前進する際には指の部分が下に傾くため、自然と身体の重心が前方に移動します。

■雪駄

雪駄はちょうどフラットの位置(上記図の赤丸の位置)が出ていて、つま先部分が浮いている構造になっています。

フラットの位置が出ているため着地時にはフラットな位置が強調され、さらにつま先部分が浮いていることから、前進する際には指が下に下降するので身体の重心が自然と前方に運ばれます。

以上のように、草鞋 下駄 雪駄という日本古来の履物は自然とフラットな位置で着地ができ、かつ身体の重心移動がスムーズにできる仕組みになっています。


【まとめ】

・フラット着地

・骨盤の前傾による、身体の重心移動

・上記二つを確立するために、草鞋 下駄 雪駄が有効


本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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2014年

7月

18日

サッカー練習メニュー(アジリティ―トレーニングとラダー)

サッカーの試合では、様々な細かい動きが存在します。

 

細かい動きを素早くできるかどうかで勝敗が分かれます。

 

より素早い動きを行うためには、敏捷性俊敏性が必要です。

 

敏捷性を向上させるためのアジリティトレーニングと俊敏性を維持するラダートレーニングについて書いていきます。

 

【敏捷性を高めるアジリティトレーニングについて】

 

敏捷性=スピード+正確性

 

■スピードについて

 

スピードは筋繊維のタイプによって決まります。

 

筋繊維のタイプは速筋と遅筋に分かれます。

 

速筋とは、瞬間的に大きな力をだせる筋肉のことです。

 

遅筋とは、長時間動かし続けることができる筋肉のことです。

 

スピードは、速筋の割合によって決まります。

 

つまり、速筋のトレーニングを行うことでスピードは向上されます。

 

しかし、筋繊維の割合は生まれつき決まっていると言われています。

 

そのため、速筋の割合を増やすことは限度があるということになります。

 

とはいえ、速筋をトレーニングすることは敏捷性を向上させるためには重要です。

 

速筋のトレーニング方法については下記をご参照ください。

 

■正確性について

 

正確性とは、スムーズに動くための動き方です。

 

アジリティトレーニングの目的は、この正確性を身につけることです。

 

有名なアジリティトレーニングに反復横飛びがあります。

 

反復横飛びとは、三本の平行線を横の動きで、中央から右→中央→左→中央→右という順に反復して、またいでいくトレーニングです。

 

反復横とびは、右から中央、左から中央に切り返すところが重要です。

 

切り返す際の約束事を決めて行うのが、アジリティトレーニングです。

 

約束事でポイントとなるのが、フラット着地重心移動です。

 

■フラット着地

 

フラット着地とは、拇指球 小指球 踵の三点で着地をすることです。

 

負荷がかかる割合は、拇指球:小指球:踵=17%:13%:20%です。

 

上記の割合で着地するためには、ちょうど脛骨の真下で、踵と土踏まずの間あたりの重心位置を意識して着地をすることがポイントです。

 

下記の図の赤丸の位置が重心位置です。

反復横飛びの切り返しの際に、この赤丸の位置で着地をさせることが重要です。

 

■重心移動

 

重心移動とは、切り返す際に足で切り返すのではなく、体の重心を運ぶことです。

 

反復横飛びで、切り返す際に、着地をするときには体を中央のほうに傾かせるということを意識して行います。

 

このように、フラット着地や重心移動といった約束事を決めて行うのが、アジリティトレーニングです。

 

【ラダートレーニングについて】

 

俊敏性とは、筋の収縮速度によって決まります。

 

俊敏性のトレーニンングにラダートレーニングがあります。

 

ラダートレーニングとは、はしごのような枠内で、できるだけ速くステップを繰り返すトレーニングです。

 

ラダートレーニングの目的は、筋の収縮速度を維持することです。

 

筋の収縮速度はトレーニングしなければ衰えていきます。

 

衰えないように、維持するためにラダートレーニングを行います。

 

運動会で、リレーに参加したお父さんが転んでしまうということがよくあります。

 

それは、普段運動していないことにより筋の収縮速度が衰えてしまい、頭の中での足を動かす速度と筋の収縮速度に誤差がでることで足がもつれて転んでしまうという現象です。

 

つまり、自分の頭の中でのスピードに対応できるように、筋の収縮スピードを維持していかなければいけません。

 

そのために、ラダートレーニンングは重要なトレーニングです。

上記のように、サッカーの試合で様々な動作を素早く行うためには、敏捷性と俊敏性の両方が大切です。

 

どちらか一方ではなく、両方トレーニングしていくことが必要です。

 

ぜひ一度試してみてくだい。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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