サッカー選手のウォーミングアップ方法

 

ウォーミングアップの目的とは、試合でベストパフォーマンスを発揮するための準備をすることです。

 

ウォーミングアップが上手くできないと試合中体が重い 思うように体が動かないということにもなりかねません。

 

せっかく練習を積み重ねてきたのに、ウォーミングアップが原因で良いプレーができなかったというのはとても残念なことです。

 

そうならないように、試合でベストなパフォーマンスを発揮するためのウォーミングアップについて書いていきます。

 

【ウォーミングアップを行う前に考慮しなければいけないこと】

 

5W1H

 

when(いつ):季節 天候

 

where(どこで):場所 環境

 

what(何を):身体の部位(首 肩 足 体感など)

 

who(誰を):子供 中高生 高齢者 男性 女性など

 

why(なぜ):競技 ポジションなどの動きの特性を考える

 

how(どのように):方法

 

これら5W1Hについてそれぞれ説明していきます。

 

①when(いつ)は季節や天候です。

春 夏 秋 冬 晴れ 雨 雪などです。

ウォーミングアップは体を温めるのが目的です。

そのため、夏と冬ではウォーミングアップのやり方や時間は変わってきます。

夏場は体はすぐに温まりますが、あまり長時間行うとスタミナや集中力が低下してしまうため短めに行う。また、水分を小まめにとらせるなど。

 

冬場はなかなか体が温まらないので、長めに行う。

といったように、季節や天候によってウォーミングアップを行う方法や時間を変えていかなくてはいけません。

 

②where(どこで)は野外 室内 広い 狭いなどです。

ここで一番考えなければいけないことがウォーミングアップスペースが狭い場合です。

あまり動くスペースがなく、かつサッカーのように人数が多い場合にどのように体を温めていくかということがポイントとなってきます。

後ほど詳しく説明していきます。

 

③what(何を)は体のどの部位を温めるかということです。

例えば、野球のピッチャーであれば肩を重点的に。サッカーのゴールキーパーであれば手首や指を重点的に。といったように体のどの部位に重点をおくのかということが重要です。

 

④who(誰を)は子供 中高生 高齢者 男性 女性などです。

例えば、小学生などの子供であれば、あまり長い時間行うと、集中が続かなかったりスタミナが消耗したりするため短めに行う。30代40代の方であれば入念に時間をかけて行うなど年齢や性別によって変えていく必要があります。

 

⑤why(なぜ)はウォーミングアップの目的です。

例えば、サッカーのゴールキーパーであれば、横の動きが多くなるため、サイドステップなどの種目を行う。ディフェンダーであれば、後ろに下がる動作が多くなるのでバック走を行う。といったように競技やポジションごとの特性によって変えていくことが重要です。

 

⑥how(どのように)ウォーミングアップ種目の選択です。

例えば、体を温めるためにどのような方法をとるか。

ランニング ジャンプ 縄跳びなど目的に合わしてどのような方法をとるかということが重要です。

 

【ウォーミングアップの手順】

 

体を温める→体操(ストレッチ)→競技特性に合わせた動き

 

■体を温める

 

体を温めるために重要なポイントは、心拍数を120拍まで上げることです。

120拍の目安は少し汗ばみ、軽く息切れする程度です。

心拍数を上げる方法は心臓を上下に揺らすことです。

良く行われる方法はランニングです。

広いスペースがあればランニングを行うのが簡単な方法だと思います。

 

しかし、時にはスペースが狭い、時間がないということもあると思います。

スペースが狭い場合は、心臓を揺らせばよいのでジャンプをさせたり、その場で足踏みという方法でも心拍数は上がります。

また、時間がないという場合は軽くダッシュさせるなど負荷を上げることで短時間で心拍数を上げることができます。

 

■体操(ストレッチ)

 

ストレッチには静的ストレッチと動的ストレッチがあります。

 

●静的ストレッチは筋肉を伸ばした状態でしばらく静止するストレッチです。

●動的ストレッチは体を動かすことで筋肉を伸ばすストレッチです。

ラジオ体操やブラジル体操が動的ストレッチにあたります。

 

では、試合前にはどちらのストレッチが良いかというと動的ストレッチです。

スポーツ競技は静止した状態で常に筋肉が伸ばされているという場面はほとんどありません。

常に動きの中で伸び縮みを繰り返すため、試合と同じように伸び縮みして行う動的ストレッチが試合前には有効です。

 

しかし、真冬など寒い季節ですといきなり筋肉を動かすと怪我につながる恐れがあるため、10~15秒ほどの静的ストレッチを行ってから、動的ストレッチを行うと良いと思います。

 

ここで注意が必要なのは、筋肉は伸ばしすぎるとパフォーマンスが低下するという研究結果があります。

 

真面目な人ほど、入念にウォーミングアップを行おうと思い、長い時間をかけてストレッチを行う方がいます。

しかし、これは体の動きを鈍くするため逆効果となります。

 

試合前のストレッチの目安は1部位につき10~15秒が目安です。

 

★体操の手順

 

人間は脳から神経が下部まで繋がっています。

そのため、上部の筋肉を緩めると、下部の筋肉もある程度緩みます。

そのことから、体操は上部から下部にかけて徐々に緩めていくのがベストです。

 

首→肩→脊柱→骨盤→股関節→膝→足関節

 

の順番で行います。

 

■競技特性に合わせた動き

 

ここからは各競技やポジションによって変えていきます。

試合中に行う動作を実際に取り入れていきます。

サッカーであれば、実際にボールを使ってシュート パス ドリブルなどを行ったり、野球であればキャッチボールなどです。

答えや正解があるわけではありません。

 

試合中に行う動作やチェックしておきたい動作を取り入れていくことがポイントです。

 

その後、トイレ休憩や水分補給などを入れて、少し精神的なゆとりを持って試合に臨むと良いと思います。

 

以上のことが、ウォーミングアップのポイントと手順です。

 

お読みいただいた方が、試合でベストなプレーができることを祈っています。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

Ishida style:パーソナルトレーナー石田俊介

 

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